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「明るくなったね!」 [気楽に読んでね(^-^)]


私が坐禅(座禅)に出会ったのは29歳の時。今から30年以上も前の話です。

それ以前の私は、嘘の人生を生きていたと思っています。


なぜなら、暗い自分を隠そうとして、誰の前でもへらへら笑っていたからです。

友人たちはそれを信じて、「九子ちゃんはいつもにこにこ楽しそうだね。」と言ってくれました。

そう言いながら彼らはきっと言いたい一言を心の中に閉じ込めていたのでしょう。

「にこにこしているけれど、何考えてるのかとらえどころのない子だね。」


大好きだった先輩の言葉はちょっとショックでした。

「九子ちゃんは他の子と違って、いつまでたっても友達や僕らの中に入って来ない。どうしてなんだろう?」


どうしてか?そんなこと私の方が聞きたかった。

一人っ子で友達いなかった私が、やっと高校で少しだけ友達が出来、大学のクラブ活動で気楽におしゃべりする友達が出来たと自分では思っていたのです。


私はいつでも普通に友達と接していたつもりでした。それなのに、「入って来ない。」と言われてしまったら、私は一体全体どうしたらいいのでしょう?


大学4年間は、自分のダメさ加減を痛感させられた4年間でした。

それと同時に、人より劣っている自分を今から人並みに変えて行く絶望的な大変さにも気がついて、眩暈がしそうでした。


一年強の就職、結婚、一年半の上京を経て長野に戻ってきた時も、私は基本的に昔となんら変わっていませんでした。

優しいM氏に自分の心の中の暗がりを見透かされないために、誰の前でもにこにこしていたのです。

嬉しくもないのににこにこしていることは辛いことでした。


それから数年たってから、隣の八百屋のおじさんに「九子ちゃん、この頃変わったなあ。明るくなったよ。」と言われました。おじさんは、優しいM氏と結婚したから私が変わったと信じているようでした。

確かにそれもかなりあります。(^^;;

でも、一番の原因は、もちろん大事な大事な坐禅(座禅)に出会ったからでした。


今までは、自分の心の暗さを隠すために、仕方なく、意味もなく笑っていました。

でも、坐禅(座禅)を知ってからは、楽しくて、幸せで、嬉しいから笑っています


ふたつの笑いの間には、天と地ほどの隔たりがあるのです。




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